法人間秘密保持契約、役職員管理まで守れていますか?
取引先・顧客との法人間NDAを貼り付けるだけで、双方向秘密保持・役職員遵守義務・下請け先情報管理・営業秘密認定の条項をAIが瞬時に抽出します。弁護士相談の前の一次スクリーニングとしてご活用ください。
ご注意: このページの情報は弁護士によるレビューではありません。 一次スクリーニングとしての参考情報であり、法的アドバイスを構成するものではありません。
こんなお悩み、ありませんか?
自社の役職員数百名に契約上の秘密保持義務を徹底する方法が明確でない
下請業者を使う場合の情報伝達と再委託先での秘密管理のリスクが不安
契約終了後の『残存する義務』が長すぎて、将来の事業判断に影響しそう
法人間取引の秘密保持契約書(法人間)で特に重要な5条項
契約書レビュー時に必ずチェックすべきポイントを解説します。
双方向の秘密保持義務と情報開示者の特定
法人間の秘密保持契約は、双方が情報を出し合う場面(業務提携・共同開発)か、一方のみ(委託側→受託側)の場面かで構造が異なります。取引の実態に合わない片務的な契約は、自社情報の保護が不十分になる一方、不要な管理負担を負うケースもあります。条文上の『甲』『乙』の定義と実際の情報フローを一致させることが重要です。
注意すべき表現
- !双方情報を出すのに片務型(受領者側のみ義務)になっている
- !『甲』『乙』の役割定義が曖昧
- !複数取引が混在する場合の情報区別がない
望ましい表現例
甲および乙は、本契約に基づき相互に秘密情報を開示する可能性があることを認識し、相手方から受領した秘密情報について、本契約に定める秘密保持義務を相互に負う。『開示者』とは、本契約に基づき相手方に秘密情報を開示した当事者、『受領者』とは、開示された当事者をそれぞれ指す。
役職員・代理人への遵守義務の課し方
法人が秘密保持義務を負う場合、実際に情報にアクセスする役職員・業務委託先・顧問弁護士等に同等の義務を課す必要があります。『当社の役職員に遵守させる』と規定があっても、入社時の秘密保持誓約書や内部規程が整備されていないと、役職員の違反が発覚した際に会社としての防御が不十分となります。
注意すべき表現
- !役職員への義務伝達の方法が規定されていない
- !退職後の元従業員の管理責任が不明確
- !外部専門家(弁護士・会計士等)への開示ルールがない
望ましい表現例
受領者は、秘密情報を自己の役員・従業員・業務委託先(以下『役職員等』)のうち、本契約の目的のために知る必要がある者に限って開示できる。受領者は、役職員等に本契約と同等の秘密保持義務を課し、その遵守について受領者が責任を負う。役職員等の退職後についても、秘密保持義務が継続する旨を就業規則または個別誓約書で確保する。
再委託先・グループ会社への情報伝達
法人間取引では、受託者が下請業者・子会社・関連会社に情報を伝達するケースが頻発します。『再委託禁止』と明記されていないと、情報が二次・三次の事業者に伝わり管理が困難になります。一方で実務上再委託が不可避な場合は、事前同意・同等義務課し・責任引受を明示するのが実務的です。
注意すべき表現
- !再委託先への情報伝達の可否が未規定
- !グループ会社(連結子会社・関連会社等)への開示が包括的に許容
- !再委託先での違反について発注者が責任を負わない
望ましい表現例
受領者が秘密情報を再委託先に開示する必要がある場合、事前に開示者の書面同意を得るものとする。受領者は、再委託先に本契約と同等以上の秘密保持義務を書面で課し、再委託先の違反について受領者が開示者に対し責任を負う。グループ会社(受領者の親会社・子会社等)への開示についても同様の扱いとする。
営業秘密(不正競争防止法)との関係と管理要件
不正競争防止法上の『営業秘密』は、(1)秘密管理性、(2)有用性、(3)非公知性の3要件を満たす情報を指し、要件を満たせば法令により保護されます。NDAの条項設計が緩いと、せっかくの情報が営業秘密要件を満たさず、契約違反の立証負担が大きくなります。逆に過度な管理義務は受領者側のコストを増大させます。
注意すべき表現
- !秘密情報の管理要件(秘密表示・アクセス制限等)が緩すぎる
- !営業秘密としての法的保護の意識が契約書にない
- !管理義務が過剰で実施不可能
望ましい表現例
秘密情報は、以下の管理措置をもって管理する:(1)『秘密』『Confidential』表示の付与、(2)アクセス可能な役職員を必要最小限に限定、(3)物理的・電子的アクセス制御、(4)複製・印刷の記録管理。これらの措置により、開示者の提供する秘密情報は不正競争防止法上の営業秘密として管理されるものとする。
契約終了後の残存義務と『独立開発の自由』
法人間秘密保持契約は、取引終了後も秘密情報の保護義務が継続するのが通常です。しかし残存期間が長すぎると、受領側の事業活動の自由が制約されます。また秘密情報に由来しない『独立開発』の自由が担保されているかが、事業展開上極めて重要です。
注意すべき表現
- !契約終了後の秘密保持義務が無期限または10年以上
- !『独立開発の自由』の明示がない
- !契約終了後も競業禁止・引抜き禁止が紛れ込む
望ましい表現例
本契約終了後も、秘密保持義務および目的外使用禁止義務は契約終了日から3年間存続する。ただし、受領者が(1)秘密情報の開示前から独立して保有していた情報、(2)秘密情報に由来せず独立して開発した情報、(3)公知となった情報の利用は、本契約により制限されない。本契約は、競業避止義務・従業員引抜禁止義務を設定するものではない。
よくある失敗
役職員への秘密保持義務の伝達が内部で徹底されず、違反時に会社責任を問われる
再委託先への情報伝達ルールが未整備で、下請け経由で情報漏洩する
残存条項が長期すぎて、関連事業の展開に制約を受ける
業界特有の事情
法人間秘密保持契約は、日本企業の商取引で最も頻繁に締結される契約の一つで、年間数百万件規模の締結があると推計されます。経済産業省『秘密情報の保護ハンドブック(改訂版2022年)』、不正競争防止法(2024年改正でデジタル証拠対応強化)、独占禁止法(優越的地位濫用の観点)が主要な法令フレームワークです。実務では、(1)初期交渉時の汎用NDA、(2)本格取引に入る際の目的限定NDA、(3)長期取引基本契約に組み込む秘密保持条項の3層構造で運用されます。2024年以降は生成AI活用・AI学習データへの利用可否が新論点として急速に重要化しており、従来のNDAひな型の見直しが進んでいます。また2022年改正プロバイダ責任制限法、2024年改正個人情報保護法の動向とも関係しており、個人情報を含む秘密情報の取扱いは別途個人情報保護法に従うことを明示する必要があります。
契約書チェックリスト
契約書を確認する際に、以下の項目をチェックしましょう。
よくある質問
自社フォーマットのNDAと相手方フォーマット、どちらを使うべきですか?
双方にメリット・デメリットがあります。自社フォーマットは自社に有利な条項が標準搭載されますが、相手が大企業の場合は『自社契約書を使う』と押し切られる場面も多いです。実務的には、(1)まず自社フォーマットを出し、(2)相手方から修正案が来たら逐条で交渉、というプロセスが一般的です。相手方フォーマットを受け入れる場合は、重要条項(期間・目的・残存・除外情報)を必ずチェックしてください。
当社の役職員数百名に秘密保持義務を徹底するには?
就業規則・秘密保持誓約書・内部規程の3点セットが基本です。入社時に秘密保持誓約書を取得、就業規則に秘密情報の取扱規定を明記、アクセス権限を最小化する情報システム設計を行います。本契約に『役職員等に同等の義務を課す』と記載するだけでは不十分で、実運用でカバーする必要があります。『秘密情報の保護ハンドブック』も参考になります。
下請業者に発注者の情報を伝える必要があります。事前同意は取るべきですか?
原則として事前同意が必要です。契約書に再委託の規定があり、そこで包括同意されていれば個別同意は不要ですが、多くのNDAは『事前書面同意』を要件とします。同意取得時は下請業者の社名・業務範囲・管理体制を開示するのが実務です。下請業者にも同等以上の秘密保持義務を書面で課し、違反時の責任を受領者(元請)が引き受ける形にします。
NDAで守秘義務を負った情報を、独立して取得することは可能ですか?
契約書の『除外情報』条項に『独立して開発・取得した情報は除外』と明示されていれば可能です。ただし『独立』の立証が重要で、開発経緯の日付入り記録・担当者のアクセスログ・情報源の文書化が必要です。NDAを結んだ相手との関連担当者と別のチームで開発するなど、情報の分離を実務的に行うことがリスク管理として有効です。
NDAで受け取った情報を、社内のChatGPT等のAIツールに入力してもよいですか?
契約書に明示的な禁止がなくても、秘密保持義務違反と評価される可能性が高いです。外部AIサービスへの入力は『第三者への開示』とみなされる場合があります。2024年以降は『生成AIへの入力禁止』を明示する条項が主流になりつつあります。安全策としては、(1)業務利用契約を結んだ学習除外設定のAIのみ使用、(2)契約書で明示的な許諾を得る、(3)社内限定のオンプレAIを使用、のいずれかを選択してください。